師走のつぶやき

「カロル・教皇になった男」というDVDのをばおばぶで友人たちと見た。
日本では最近翻訳されて売り出された。

スタートはポーランドへのナチの侵攻。カロルという後の教皇ヨハネ・パウロ二世はまだ19歳の大学生。大学は閉鎖され教授は全員捕らえられゲットーへ、、友人のユダヤ人たちもゲットーへと連れてゆかれ殺される。友人の司祭もナチに反抗的である故殺される。たった一人の家族である父も病で死ぬ。
武器を持って戦おうと立ち上がる友人たち、彼はそれも彼らの選択と認めるが、彼は違う道を選ぶ。「愛すること、苦しむ人々を助けること」これが彼の生涯を貫いていた、という証の映画であった。かれは女友達もいたのだけれど、司祭への道をナチ支配下の最悪の時に決断する。

ナチが消えた後、今度は共産主義という政治形態がポーランドの人々を支配し苦しめる。98%の国民がカトリックである其の国でカトリックをターゲットとする国家とは!彼は大学での教授として、また司祭として、彼独特の明晰なる頭脳と温かい心により、人々の信頼を得てゆく。労働者として、石工として働いた時にできた友人も、生涯彼を友と思い、彼の言葉に支えられてゆく。

「苦しむ人々のために司祭になったのに、何もできない」と彼が苦しむ友の傍らで涙する場面があった。しかし次の瞬間、やはり彼には言葉が舞い降りてくる、んだろう、友は力を得て立つことができる。

党本部に単身独断で交渉に行ったことがあった。後で上司に叱られ、二度としません、とは言うのだが、「何事にもはじめがある」とつぶやいていた彼。
その危ない対談の中で、彼は、相手に、「共産党もカトリックも目的は同じでしょう、人を幸せにすることです」と言っていた。
肝の据わった男である、と共産党の幹部は言う、消さねば、と常にカロルを捕らえるチャンスを狙っていた。
カロルの全てを知るため、スパイが付けられた。盗聴マイクをつけたり、生徒として近づいたり、しかし政治のことは、国家のことはカロルは決して口にしなかったのだという。盗聴を知っていたのではないか、と言われる程、それほどに彼は人々の苦しみを助けること、愛と希望を説くことに徹底していたのだった。スパイは次第に彼の人間性を知ってゆく。後に言う「憎んでいるはずなのに、カロルの言葉が僕の心に清水のように染み込んできてしまう・・・」と。カロル派になってしまった彼は捕らえられ、刑務所で拷問を受ける。しかし彼は生き延び、若者の良き指導者となってゆく。

悲惨な場面が多かったのだが、カロルが「愛と希望」で貫き通した明るさがずっとあった。その光が小さな灯火から、次第に大きくなってゆく、絶望の暗闇の中で、光は輝き続けていた。
結局ポーランドでワレサの民主改革が起こったのは、カロルが教皇ヨハネ・パウロ二世となった後の出来事だったというのも、今わかった。
ヨハネ・パウロ二世としてとてつもなく大きな戦いをあの時代になさっていた、というのは映画の中には出てこないが、その萌芽はいたるところにあった。
彼の死後、彼は巨大な星であると言われている。

なんと謙虚な人だったんだろう、なんと強い人だったんだろう、なんと温かい人だったんだろう、
神と共におられたんだ、と私は見終わった時、涙ぐんでしまった。嬉しかったのだ。

これから月一ぐらいで、希望の人がいたら見ようかな、と思っている。三時間の大作ではある。

www.karoldvd-jc.org
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