睦月の書き散らし

11月の末にローマ教皇フランシスコが日本をおとずれた。風のように、あっという間の滞在だった。四日間とか言われているけどまるまるは二日間だけ。

この間、長崎被爆地でのミサと慰霊とメッセージ、その夜に広島でも同じく慰霊とメッセージ、この二つのメッセージが核保有絶対反対であるのだが、日本の現状を捉えた上での、厳しい政府批判であった。被爆国の政府、つまり日本、は 声を上げて二度と核兵器を使わないでくれと世界に訴える義務があるということ。右の手で平和を掲げながら、左の手で武器を作り売り続けている日本という国はテロリストと同じ犯罪を犯しているのだ。平和は非武装からしか生まれない。と。

二日目東京では朝、若者たちの悩みをお聞きになり、それにお応えになった。いじめを受けた外国からの移住者、生き方を分からない思春期の子供たち、社会の価値観があまりにも経済効率主義での生きがたさなど。マリアカセドラルで、真剣かつ和気あいあいと若者と過ごされた。その後、天皇陛下、安倍首相との対談があり、午後は東京ドームで5万人のためのミサ聖祭が行われた。これは我々が預る毎週のミサと形式は全く同じなのだけど、美しく優しかった。私は映像で家で参加した。

翌朝は上智大学で学生のためのメッセージがあった。イエズス会の精神を大切にすることはもちろんだが、弱い人を助ける人になりなさい、それで際立つようになりなさい、だった。

ほかの国に比べると、日本は他人に冷たい国であると。そして若者や老人の孤立化による社会問題が増え、この問題は、どこの国でも緊急事項として解決しようとしているのだが、この国はその問題を放置しているかのようである。対話を奨励するどころか反対に自分の面倒は自分で見ろ、という大号令をかけている。経済優先のゾンビのような冷たさである、と。

彼はアルゼンティン出身である。イタリアからの移民であった。かれは司祭になってからもずっといつでも一番弱い人、貧しい人びとの味方であった。変化の激しいアルゼンティンの社会は軍事政権の交代でひどく暴力的であった。その中で、彼は人々の命を守るために彼の命を張っていた。凄まじい体験であった。

彼が2013年に教皇に選出されてから、すぐさまに彼は教会内の毒出しを手がけた。ひとつ経済的な教会の腐敗、ひとつ聖職者たちの子供や女性に対する性的な犯罪行為である。着々と成果を上げている。

日本には人口の0.04%のカトリック信者がいる。40万人ぐらい?
科学万能の世だから、日本人として教育を受けてきているから、宗教を絶対的なものとして帰依するのはひどくむつかしいことがある。しかし、今回の教皇フランシスコの考え、行いを見ていると、カトリック信者である自分にご褒美がもらえたような気がする。人として、勇気のある素晴らしい人だ。彼を支えたい、と思う。

今回彼が日本におられた間、私は何やら、暖かい日差しに照らされているような、光の中にいるような、幸せな気分の中にいた。

   こはるびや聴かぬふりする昼寝猫      ざくろ

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