5月30日

予定より8km少ないところで切り上げた。これ以上は無理だった。ポルトマリーンという湖のような広い河のほとりにある高台の美しい町。アルベルゲの窓からの眺めも河が見えるし、三人部屋で専用トイレ、シャワーが付いて言うことなし。小学生の団体と一緒になったが先生が付いているせいかうるささは感じなかった。

街はかなり大きくスーパーマーケットがあった。大好物のチーズとパン。プラス、チョリソー、バナナ、りんご、オレンジジュースを買い天気がいいので河を眺めながら食べたくて公園に行った。ベンチには既に一人の巡礼者がいた。声をかけて一緒に食事をすることにした。オーストラリアからきたクルウェーという珍しい名前の人。もっと年かと思っていたら私と一緒。バルセロナから来たという若いローザも加わって三人同じようにボッカディーリョを食べる。

道について、ヤコブ神話について話していたのだけれど、次第に神についての彼の質問は、「おっと、なんと答えるのだろう私は」と思うほど試されていると感じた。「この道で神は君に何か教えてくれたか?」こんな風に答えていいのだろうか、とどこかで思いながら外国語のせいで直接的に言わざるを得ない私。「この道で神様が私に教えてくれたことは…期待したような奇跡の形ではなく日常生活の小さな積み重ねの中でこんなに出会っているだろう…と云うことでした」と答えていた私。

「神が私を愛しているということ、それは知っていた。でも私はその愛にこたえようとはしていなかった」「どうしてそう思うの?」「わからない」「それは君がパーフェクトとドラマを望んでいたからではないの?自分に満足していないからでは?」

娘の自死については、彼は涙を流しながら「どうして?どんな風に?何処で?」「名前は?」と次から次へと問うてくる。「青遊のために君は何ができるか?」私は既にその答えを知っていた、「あゆうに良く似た娘達、息子達が私の前に現れる。彼らを愛すること、それだけ」

「君のために祈ろう、といって彼はローザとふたりで私を挟んで座り、肩に手を回し、残りの手はつなぎあって、「天の神様、ノブヨをお許しください」と祈り始めた。

「君はジェントルなスピリットを持っているね、話してくれてとても良かった、ありがとう」といって彼は歩き始め、去っていった。