5月10日

朝から本格的な雨だった。初めてだ。 廊下でエレーネに会えた。別れの挨拶をする。 新しいポンチョをかぶり覚悟を決め歩きだす。

17kmの間村が一つもない農道が続く。何もない。 雨なのでリュックが下ろせない、ベンチには屋根がないので座れない、 足の痛みが復活する。 あまりにつらくて泣きたくなる。祈りか、悲鳴か、ぼそぼそ声が出る。
「あゆうはてんごく…アユウハテンゴク…青遊は天国…」
   青遊は天国にいけたのであろうか?
   命を自分で絶つという愚かな行為をした娘を神は受け入れてくださったのであろうか?
   私の唯一の願いは彼女の魂の平安。
   天国にいて欲しい…

やっとたどり着いた村はみすぼらしい。雨がここで止む。 宿も今までで最低の部類に入る。ホスピタレーロが管理好きときた。 管理されることをひどく嫌う私。 食事に行った村のレストランも気に食わない。