『ばおはい』第143回(ばおれん)

二千十七年水無月二十七日 俳諧の連歌

やっと梅雨らしくなった湿りっけの中で、久しぶりに参加の櫻泉こと、さくらさんの発句でスタートしました。しっとりと落ち着いた流れ。六時までの五時間で三十六歌仙。

青い梅路上に浮かぶ昼下がり さくら
しとしと雨を聞くかたつむり 桃古
娘子が仕立下しで街に出て ざくろ
身内の見舞い病院へゆく さくら
萩の月おもてなしには塗の盆 甘猫
障子に響く鈴虫の声 じょあん
旨そうな鮭の切り身を取り分けて 桃古
チーズに添えて白ワイン飲む ざくろ
甲板で誰になびくかパリジェンヌ 甘猫
一番星は雲に隠され じょあん
露天風呂すぐそこいらに狸いて ざくろ
ガラス扉に淡き人影 桃古
台風に杉の林の揺れ渡る じょあん
村の祭りに笛の音高し 甘猫
切っ先を水に濡らして三日の月 桃古
後ろ髪引く赤子の笑顔 ざくろ
今生の別れとぞ知る花吹雪 甘猫
新入生の黒ランドセル じょあん
一面に牛の喜ぶ蓮華草 ざくろ
春牡蠣を食べどこへゆくやら きんべ
ショウルーム銀座の夜のほの光 桃古
門前町に江戸土産買う じょあん
透明なキリコ細工の砂糖壺 甘猫
紺碧の空セヴィリアの街々 ざくろ
難破船流れ流され天国へ きんべ
今日の上がりをまたも数える 桃古
虎落笛硯の海に墨のなき じょあん
冬の満月仰ぎ見る猫 甘猫
ごきげんよう挨拶交わす夕暮れに ざくろ
ムキになりけりうな重頼む きんべ
瀬戸際に起死回生の一手指す 桃古
ローマへの道駱駝にまかす じょあん
銀河超え宇宙の果てに若い夢 甘猫
お乞食さんのでんぐりかえし ざくろ
良き日かな花咲き誇る野にいでて きんべ
めおとの雉がのんびりと啼く 桃古

櫻泉さんへの誕生句