『ばおはい』第133回(ばおれん)

二千十六年葉月二十三日 俳諧の連歌

野分あと野良猫(のら)の安否を確かめて じょあん
蚊の声弱くもろこしを食う ざくろ
真っ暗な角を曲がれば月の盆 みゆう
灯台守に酒の差し入れ 甘猫
懐かしの銀幕スターの名台詞 よもぎ
長屋住まいのわびしさを知る 夢追い人
坂下にアイスクリームを売る男 桃古
蝙蝠が飛ぶ参道をゆく じょあん
未だ熟れぬ身を焦がしての恋煩い ざくろ
色の褪せたるヘップサンダル みゆう
口説かれて返事をのばすパリジェンヌ 甘猫
落ち葉の街に鐘響くなり よもぎ
月冴えて見つめる先に地中海 夢追い人
あの鳥たちはどこを目指すか 桃古
D51(でごいち)の車窓に映る母の里 じょあん
糠味噌の底忘れた野菜 ざくろ
花吹雪フォークダンスの老夫婦 みゆう
思い思いの磯遊びする 甘猫
春一番転がってきた野球帽 よもぎ
赤提灯で溜飲さがる 夢追い人
女房の言葉の端がひっかかり 桃古
豆腐屋が去り静かなる路地 じょあん
アベマリア祈りを込めて朝歌う ざくろ
ドレッシングをレタスにかける みゆう
耳鳴りと付き合う春の二十回 甘猫
よもぎ摘みして蛇に出くわす よもぎ
振り向けば後悔ばかり俺の空 夢追い人
鮭の味噌焼きしみじみと食い 桃古
月の夜これから始まる御簾のうち じょあん
焼けぼっくいに爆ぜる栗の実 ざくろ
地球危機東京湾にゴジラきて みゆう
九条守る日本国民 甘猫
腹割って語らう仲間夢一夜 よもぎ
太鼓たたいて進む行列 桃古
さみしさも花の下にて眠りけり ざくろ
鶯の鳴く古都は鎌倉 じょあん