2017年に入りまして、ばおはいの動きを少し変えました。 奇数月は、最初は俳句を持ち寄り鑑賞をいたします。その後連句で十八歌仙を行います。偶数月は、最初から連句で三十六歌仙を行います。どちらも13:00からです。
何故このようになったかといえば、連句の方が楽しいのですが、基本は個々が俳句を作る力を持たねばならないので、句も作り続けるためです。本日は一時間を俳句鑑賞にしましたが、一句づつしか巡れませんでした。
ばおはい
- 桃古:
- 水仙の今宵は誰が肌ふれん
- どんど焼炎巨人の如くなり
- 幻の国に飼われて寒の豚
- 冬の雲時にはのぞく薄あかり
- 凍れる窓のかすかすかなる音
- じょあん:
- 銀翼の青々駆ける冬の昼
- 風呂炊きや寮母の夫は名コーチ
- 新入りの野良猫二匹日向ぼこ
- レンタルの和装のをみな淑気かな
- 父が娘に指さすあかり冬オリオン
- さくら:
- 梅春の衣まといて一歩づつ
- 梅春や今年は鞄といこうかな
- 本正月梅春ものは鞄かな
- 来るべき寒波に備える今夜あり
- 初春の流れに我を委ねつつ
- よもぎ:
- 小豆炊く母の背中のやわらかな
- 丹沢の峰輝けり大寒波
- 夢追い人:
- 大寒に抗うように紅き梅
- 茜さす薄墨の空冬の月
- 北風や歯をくいしばり首すくめ
- 冬場れや房総の峰くっきりと
- 朝散歩寺の庭には霜柱
- 甘猫:
- 一年の始まりはここ笑い初め
- 新年会小さな夢に沸く拍手
- ほぐれたる結び昆布もすみっこに
- おでんなべ女ばかりの迷い箸
- 日脚伸ぶ猫の見ている鳥の唄
- ざくろ:
- 屠蘇酒や酌み交わしてる息子たち
- 老ひ老ひや祈ります日々春うらら
- 恋をする心の傾斜冬ぬくし
ばおれん
二千十七年睦月二十四日 俳諧の連歌
長い夜鰤の煮付けに舌つづみ | 夢追い人 | |
雪降る街につのる静けさ | じょあん | |
階段をわき目もふらず駆け下りて | 桃古 | |
商売敵今日は負けない | 甘猫 | |
気がつけば大きな月に口をあけ | ざくろ | |
萩はたわわに尾花はゆれる | よもぎ | |
秋深く野良猫の親子の忍び足 | じょあん | |
柱の影で君を抱きしむ | 夢追い人 | |
青い空ゆれるヨットに二人きり | 甘猫 | |
コートダジュール白き家並み | 桃古 | |
山ほどの土産の中に赤ワイン | よもぎ | |
年あらたまり葬儀の続く | ざくろ | |
月冴えて烏鳴きおる森の中 | 夢追い人 | |
奥書院より笛太鼓の音 | じょあん | |
古井戸に石を投げ込む子供たち | 桃古 | |
病室飾る紙のひな壇 | 甘猫 | |
満天に踊る踊るよ花吹雪 | ざくろ | |
おたまじゃくしの遊ぶせせらぎ | よもぎ |
誕生句:
- 夢追い人さんへ
- 蝋梅のかをりは夢にあらざるや(桃古)
- 一月の夢見る男又一歩(じょあん)
- 初夢や助けた姫に囲まれて(甘猫)
- 父ヨゼフ夢でゆく道決める冬(ざくろ)