「祝福(いのり)の海」 上映会を終えて

祝福を祈りと読む。祝島と福島でもある。

美しい自然と共に幸せに暮らしている人々をみた。

海と山からの恵みに満ち溢れている、今の祝島。過去の福島。

フツーの人のフツーの幸せ、平和なくらし。

瀬戸内海に浮かぶ祝島はいま I ターンや U ターンの、または、
移住してきた人々によって、使われなくなった畑、水田、果樹園などを
復活させて元気になっている。もちろんもともとお住まいになっていた人々の
知恵と伝統もしっかりとある。

自然のまま残されたこの島の周辺はめぐみ豊かな美しい海である。
女漁師のたみちゃんの存在感は素敵だった。

島の向かい側に原発建設予定地があり30年ほど反対運動を続けてきている。
生活の中で、ぎりぎりに力を出し切って断固として反対し続けている。

福島近郊での自然農によるやまなみ農園を営んできた佐藤幸子さんの30年間は、2011年に断ち切られた。
しかし子供の記憶の中にその幸せは残っており、いつかまた、と次世代が夢を描いている。

山口県、日本海側の百姓庵は自然農のみならず、塩、味噌、醤油なども作っている。
研修生も受け入れている。本物の食を求め、脱サラした井上義さんが築いている生活だ。

昔ならほとんどの日本人が行っていたであろう、普通の生活が、今こんなに輝いて見えるとは。
しかも彼らは楽しそうなんだ。昔のお百姓さんて、辛そうな印象があるんだけど、今新しく始めている人たちは
とても楽しそう。何かが違っている。そう、何かが違っている。

南相馬の同慶寺の田中徳雲さん。宗派を超えて、ともに祈っている。人々の拠り所になろうとしている。
鉛のブランケットをお腹にかけながら危険地帯に入り続ける。
歩いていると大地との一体感を感じるとおっしゃってた。

この映画の監督は、東条雅之さんという若者。 静かな明るいしなやかな、正直な人だ、真っ直ぐだ。
映画の後の皆との分かち合いが、彼の望んだことだし、私たちも望んでいたところだった。
ばおばぶ仲間が多かったのだけど、いろいろな方の意見が聞けてとても良かった。皆考え続けている。

この映画を撮ったように、彼が、一歩々々歩いてくれたら、人々はきっと命のこと、わかってくれるし、
世界は必ずいい方向に変わるであろう、と私は確信を持った。この映画の持つ不思議な魅力だ。
希望の星だ。

雨勝ちの日だったが、彼が資材を積み下ろしをする朝と夕方、特にひどい降りとなった。びしょ濡れの彼。
それはそれでいいと思えた。大丈夫だと。

Nob.